鳥取県発祥の氷温技術が食肉に活用の場を広げている。ふるさと納税の返礼品や「お取り寄せグルメ」の普及により、鮮度保持やおいしさを求める消費者が増えていることが理由だ。国の研究機関も研究に取り組むなど今後の広がりが期待される。
食肉加工・卸売業のホクニチ(米子市)は昨年11月、自社で贈答用に販売する宮城県産のアイガモ肉について氷温食品の認定を受けた。約1年間、氷温研究所(同市)と共同研究し、最もうま味成分が高まる温度帯や熟成期間を探り当てた。
0度以下の未凍結温度域(氷温域)で生鮮食品を保管・処理する氷温技術は、食品のうま味増進や保存期間の延長につながることで知られる。アイガモ肉の場合、5日間の熟成により、うま味の指標となるグルタミン酸が1・4倍、遊離アミノ酸の含有量が1・5倍に増えたという。