パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃に端を発した戦闘が激化している。
私が3年ほど前から参加しているボランティア団体に、「北海道パレスチナ医療奉仕団」がある。この奉仕団は2010年に結成され、団長の猫塚義夫医師を中心に、これまで14回にわたってパレスチナの西岸地区の難民キャンプやガザ地区に医師や看護師、教育関係者の派遣を行ってきた。実はこの10月23日から15回目の派遣活動が予定されており、私自身は参加できないものの、現地の診療所で患者さんを診る医師たちの後方支援を日本で行うつもりだった。
実際に何度もパレスチナに足を運んだ医師たちから聞く現地の話は、いつもすさまじいものだった。イスラエルは高い医療水準を誇る国だが、その中の一部を占めるパレスチナでは、医療資源や医療スタッフが常に不足しており、満足な治療も施せないのだそうだ。猫塚団長が日本の整形外科医であることを知ると、腰痛やひざ痛、四肢に障害のある患者が1日200名以上、押し寄せてくるという状況だという。
言うまでもないが、パレスチナの人たちは、ガザを取り囲む壁や難民キャンプの境界を越えて、す...