「政治家と直接話したことがある人はいますか~?」
スウェーデンの中学校のクラスで聞くと、全員が手を挙げた。さすがは若者の投票率が8割を超える国だ。これだけ若者と政治家の距離が近ければ、投票所に足を運ぶのも当然だろう。政治家とどこで会ったか聞くと、「選挙小屋」だと多くの生徒は答えた。
選挙期間中に駅前や街頭に設けられる政治対話の場がそう呼ばれる。各政党がブースを出店し、コーヒーを飲みお菓子を食べながら、市民と意見を交換しあう。昨年9月、スウェーデンの総選挙を取材した際に目を引かれた選挙小屋について書きたい。
▽選挙権はないけど友達と「将来のため」に行く
選挙小屋に来ていた中学生3人に聞いてみた。どうしてここに?
「興味があるからです。それに学校選挙があってどこに投票するか考えないといけないからです」
「学校選挙」とはスウェーデンの多くの学校で行われる模擬選挙だ。本物と同じく実在の政党、候補者に投票する本格的な形式で、実際に開票も行われる。選挙について若者同士ではあまり話題に上がりにくい日本の現状からすると、中学生が友人と連れだって選挙小屋を訪れるという政治との距離の近さにいろいろと考え...