文学フリマに大興奮、マグマのようなエネルギー 黙って見ていられず出店

  •  藤岡みなみ
  •  設営したブース。ディスプレーもそれぞれ工夫している(筆者提供)
  •  設営前。長机の上に多様な世界が広がる(筆者提供)
  •  同人誌に参加してくださったライターのスズキナオさん=右=と(筆者提供)

 いま、文学フリマが熱い。文学フリマとは「自らが文学と信じるもの」をテーマに制作された作品の即売会で、2002年に始まり現在は北海道から九州まで各地で毎年開催されている。今年の東京開催では、出店者と来場者を含めた参加者が初めて1万人を超えたという。出店はプロアマ問わず可能で、小説、エッセー、日記、短歌、自由な研究の記録などジャンルもさまざま。オリジナルのファンタジー作品やひたすら偏愛を語る本などがずらりと並ぶ会場は、異文化の宝庫ともいえる。

 今年5月、東京・流通センターでの開催に一般来場者として訪れた際、静かなマグマのようなエネルギーをビリビリと感じた。一番混雑する時間だったのか、改札を出てすぐの場所からすでに入場を待つ長い列ができていた。入場までに30分ほどかかっただろうか。ブースはおよそ1500もあり、とても全ては回りきれない。欲しいリトルプレス(個人や少人数で制作された雑誌)や同人誌がありすぎて、2時間ほどうろうろしたところで用意してきた現金が尽きてしまった。作家本人から購入できるというのも醍醐味(だいごみ)の一つで、生ものを受け取るような緊張感と重みがある。ドーナツ偏愛アンソロ...

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