パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市にある病院で大きな爆発が起き、500人近いパレスチナ人が亡くなったという報道もある。ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスはイスラエルによる空爆だとしたが、イスラエルは関与を否定してパレスチナ側の誤射だとし、双方が相手を非難し合う状況が続いている。
この病院には入院していた患者や付き添いの家族、医療スタッフの他にも避難してきた人が滞在していたと見られ、SNSではわが子の爆死に取り乱す親の映像、疲労と怒りで泣きながら仕事を続ける医療スタッフの映像などが拡散されている。医師のひとりはインタビューに応じ、「われわれを殺したいのならここで仕事をしている間に殺せばいい。私たちは去らない」と語っていた。医師のひとりとして私は、「もしこの病院の一員ならどうしただろう」と考えてしまう。「とりあえず少しでも危険が少ないところへ」と逃げ出さず、この医師のように「去らない」という決断ができただろうか。
日本の場合、医師法19条1項で「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」という応召義務が定められている。しかし、こ...