一生モノのキャリーケース

  •  柳亭小痴楽

 昨年の冬ごろ、私の元へ大変光栄なお仕事の依頼が舞い込んできた。なんと雑誌「ブルータス」さんからで、英国の伝統ある老舗ラゲージブランド「グローブ・トロッター」さんの創業125周年を記念して、私の仕事の必需品を収納するものを1品、お店でフルオーダーし、それを使わせてもらうという大変貴重でありがたい企画!

 好きなものを作ってくれるということなのだが、私が仕事で常に身につけるもの…雪駄入れ?扇子入れ?うぅ~ん、どうしようか…悩みに悩んだ末にダメもとで私が欲しいものを伝えてみた。

 「自分専用のキャリーケースが欲しいです!」。このブランドのキャリーケース…大変なお値段なのである! それをフルオーダーで! 「バカ野郎!いいかげんにしろ!冗談にも程があるぞ!」。怒られるかなぁと思いきや「落語家さん専用のキャリーケース…どんなものになるんですかね…でも、面白い!いいですね!」と、なんと心の広い太っ腹なグローブ・トロッターさん!

 ここの製品が長く全世界で愛用されている一番の強みは、レザーのように見えるがレザーではない「バルカン・ファイバーボード」という、並外れた強靭さと軽さが特徴の素材とされる。

 早速、...

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