熱帯モンスーン型気候のため四季がなく、季節の移り変わりを感じることが少ないフィリピンだが、それを明確に知覚するタイミングが一つある。世界一長いと言われるクリスマス期間の到来だ。英語の名称で語尾が「ber」で終わる月、すなわち9月から12月までがそれに当たる。
商業施設などではクリスマスツリーなどの飾り付けが目立ちはじめた。ワム!やマライア・キャリーといった定番ソングもBGMで流れるようになった。クリスマス商戦はこれからが本番。セールは年をまたいで続き、50~70%のディスカウントも珍しくない。クリスマスのパーティーではいろいろなチームを作ってダンスを披露するのが一般的で、公園や駐車場などでダンスの練習に励む人たちが増えるのも、クリスマス期間ならではの光景だ。
雪の降らない当地で一外国人がクリスマス気分になるにはまだ程遠いが、年末に向け街の装いの変化を眺めるのは当地に住む醍醐味(だいごみ)ではある。東南アジア最大のキリスト教国であるフィリピン。もともとクリスマスは盛大に祝われているが、新型コロナウイルスが収束したこともあり、今年は例年とはひと味違った雰囲気が感じられそうだ。(フィリピン...