政治家の発言を疑う高校生たち スウェーデンの批判的授業とは?

  •  たかまつなな(時事YouTuber、笑下村塾代表)
  •  教室の生徒たち。「情報の出所を確認します」(筆者提供)
  •  総合学習担当のアンデション先生(筆者提供)
  •  生徒「政治家の回答を見極めます」(筆者提供)
  •  模擬選挙の担当教師(筆者提供)

 スウェーデンが日本と比較して「若者の政治参加先進国」であることは、これまで実例を挙げつつ何度も指摘してきた。子どもたちが、大人たちからの信頼を基に、自分たちのことを自分たちで決める学校運営をしていること、すなわち「学校内民主主義の浸透」も優れた主権者教育になっている。

 生徒代表者に自分たちの思いを託す。信じているからこそ学校内民主主義が成り立っている。身近な実感があるから、現実社会の行政や政治家に対する信頼も高い。

 一方で、高校生たちと話して気付いたのは、バランス感覚も兼ね備えていることだ。自分たちの代表者である政治家も、同じ人であるからこそ「信頼しながらも疑う」というリアリズム。

 「政治家はうそをつくし、情報を自分が伝えたいようにねじ曲げる。情報は、誰がどんな目的で言ってるのかを見極め、1次情報を探せばいい」と厳しい言葉を耳にした。彼、彼女らは授業で、批判的に資料を読み解く方法を学習していた。民主主義は、批判的思考により支えられる。スウェーデンで実践されている「批判的授業」を、ストックホルム郊外の高校で取材した。

 ▽その情報は信頼できるのか?

 この地域で教師を25年ほど務めるウーラ...

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