ハマスとイスラエル軍の戦闘で緊迫化する中東情勢。世界各地で即時停戦やガザ地区への空爆停止、人道支援を求めるデモが起きている。ロンドンでは10月22日に10万人が「パレスチナに自由を」などと書かれたプラカードを手に集まった。親パレスチナのデモが禁止されているにもかかわらず、ベルリンやパリでも大規模なデモが開催されている。
日本でも同様の動きが起きており、全国各地で集会やデモが開催されているが、いずれも参加者は数百人から千人台。私もメンバーとなっている「北海道パレスチナ医療奉仕団」が主催した札幌のデモには300人が参加し、「札幌にしては多い」と驚きの声が上がった。
もちろん、参加人数だけが重要ではないし、それぞれの国は文化も違うから、いちがいに「日本は国際問題に関心が低い」と決めつけることはできない。ただ、日本にはどこか「デモに参加すると“政治的”と思われてしまう」と考え、それを控えようとする空気があるのはたしかだと思う。
2015年、集団的自衛権に反対する大規模な国会前集会に参加した当時の大学生たちはその後、ネットでの誹謗(ひぼう)中傷にあい、悪質なものへの提訴をやむなくされたほどだっ...