生徒も参加して何でも決めるドイツの「学校会議」とは?

  •  たかまつなな(時事YouTuber、笑下村塾代表)
  •  インタビューに答えるマティッヒ・クローネ氏(筆者提供)

 ドイツでは多くの学校が、学校会議という制度を設けている。州によって違いはあるが、学校運営全般、授業、校内外行事、あるいは登下校、就学援助、トラブル防止に至るまで幅広いテーマが議題となる。最も目を引くのは大人だけではなく、生徒も対等な立場で参加するというところだ。私が取材したベルリン州では、最高意思決定機関という位置付けで、校長の選任まで担っているというから驚きだ。子どもたちも自分たちの学校のトップを選ぶ決定権を委ねられているのだ。ベルリン州当局の学校会議担当者で、自身も親代表として参加した経験があるマティッヒ・クローネ氏に話を聞いた。

 ▽校長も自分たちで選ぶ

 学校会議は、ベルリン州法の「学校法」によって設置が義務付けられている。メンバーは校長1人、教職員4人、親4人、生徒4人に外部講師1人で、計14人の構成だ。生徒代表は生徒が、親代表は親がそれぞれ選ぶ仕組みになっている。そして外部講師は誰でも推薦でき、多数決によって決める。生徒代表は、各クラス代表が2人選ばれ、その中からさらに選挙によって学校会議参加者を決めている。

 学校会議では、校長が決めたことにも反対できる。校長の決定に対する拒...

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