米子市は15日、国登録有形文化財の日野橋(通称旧日野橋、同市車尾6丁目-吉岡)の塗膜から人体に有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)を検出したことを明らかにした。2026年度末までに塗膜を剥ぎ取って処分しなければならないが、飛散などの影響はないとして通行規制は行わない。同橋は老朽化が深刻で市が解体撤去を含めた検討を進めており、来年2月に学識経験者や地元関係者を交えた在り方検討委員会を設置する。
日野橋は1929年に建築された全長366・6メートルのトラス橋。緩やかな弧を描く6連のアーチが特徴で、2003年に国登録有形文化財となった。
塗膜の成分調査は、市議会3月定例会で岡田啓介議員(自由創政)から以前の補修時に使用した塗料がPCBを含んでいる可能性を指摘され、今年8月に同橋の2カ所で実施。分析の結果、1キログラム当たり0・59ミリグラムと2・0ミリグラムのPCBを検出し、いずれも低濃度PCB廃棄物に該当した。