「見立て」造形を創造 彫刻家・石谷孝二さん木彫展

 彫刻家で国画会会員の石谷孝二さん(71)=鳥取市高住=の木彫展が、同市青葉町2丁目のギャラリー栄光舎で開かれている。一つの物から別の新たな物や形を創造する「見立て」の発想を追求した造形作品が並ぶ。23日まで。

 奈良教育大研究生だった時、カニの爪が人体に見えたのが見立ての発想の始まりだ。1979年、第53回国展で国画賞を受賞し、石谷彫刻の柱になった。

 小品の木彫展は初めてという今展には、人や鳥、月などの形を借りて自然との共生を表現した樹下美人シリーズを中心に、近作約20点を出品。鳥を手にした少女像の「飛翔(ひしょう)」は横から見れば羽ばたく鳥、逆さまにすると花になり、さまざまな視点を内包する。湖山池や青島、手前の丘に鳥取砂丘をしのばせて鳥取への思いを表した「因幡まほろば」、近年始めた抹茶わんなども並ぶ。

 石谷さんは「見立ての発想で物事を見れば、一つの物から多様な形が生まれる。創作は発見の喜びがあり、組み合わせることで全く違う物が生まれることもある」とその魅力を語った。

この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事