マクラって必要?

  •  柳亭小痴楽

 マクラとは…私たち落語家が高座に上がりおしゃべりをする際、本題(落語)の前に関連する小噺や世間話などをしゃべり、お客さんのご機嫌を伺うもの。一般的に使われる「枕詞」のようなものだ。

 これは芸人によってさまざまで、定番の小噺をしゃべる人、落語に関係なくお決まりのマクラをしゃべる人、その日の落語に関連するような自作の小噺をやる人もいれば、フリートークのように自由自在なマクラをしゃべる人もいる。また、反対に一切マクラをしゃべらず、ごあいさつだけして落語に入る人もいる。いかに落語をやりやすい雰囲気にするかがポイントとなり、十人十色で面白い。

 よって単純に自分のモチベーションのためにマクラをしゃべる人もいれば、客席の空気を温めるため、これからやる落語にお客さんが入りやすい空気を作るためにしゃべる人もいる。

 私はというと、私の人となりを少しでも知ってもらったり、感じてもらったりしてから落語を聞いてもらいたいと思い、基本的にはマクラを長めにしゃべる。その日にあったことや、最近面白いと思った出来事、時事的な話題での持論など、フリートークのように話すので、結果長くなり過ぎて大事な落語の方を短くしなくて...

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