地域の方言を未来へ 青谷・日置谷 「話し言葉方言かるた」完成

瀧さん発案、第2弾も検討 住民やNCNが手作り

 鳥取市青谷町の日置谷(ひおきだに)地区に伝わる方言をかるたにした「話し言葉日置谷方言かるた」が、住民手作りで完成した。「忘れられつつある地域の方言を未来に残そう」と地区内の瀧恒夫さん(69)=青谷町蔵内=が発案。日置谷地区公民館(山根加恵館長)や日本海ケーブルネットワーク(NCN)、住民有志が協力して44句の読み札と絵札を制作した。12月の地区のクリスマス会で子どもたちと遊ぶ予定で、瀧さんは第2弾の方言かるたの制作も検討している。

 「あっつあんやあばさんがきてにぎやかい(おじさんやおばさんが来てにぎやかだ)」「いんでからぼーやこしょーでみんなだで(帰ったらみなで鬼ごっこしよう)」

 瀧さんは15年前、子どものころから普段使っている日常会話を切り取って、話し言葉でかるたを作ろうと思い立ち、少しずつ読み札の句を考案した。「標準語では住民の思いが伝わりにくい。方言だからこそ表現できる」と子ども同士や大人と子どもの会話を丹念に拾い、「あ」から「わ」まで44句を完成させた。

 今年2月、NCNが瀧さんの読み札をもとに絵札を作成する番組を放映。住民有志や公民館職員、NCN社員計8人がそれぞれ個性豊かな絵札を描いた。読み札と絵札がそろったことを受けて、公民館が今夏にかるた4組を制作。公民館内で子どもたちがかるた遊びを楽しめるようにした。

 12月3日に公民館で開くクリスマス会では、方言かるたと鳥取市あおや郷土館制作の「ひおきだに双六(すごろく)」を使って子どもたちと交流し、地域に伝わる方言を広く伝えていく考えだ。

 「絵札を見ると、近所同士のつきあいが深かった昔の暮らしぶりが鮮明に浮かびあがる」と、方言かるたを発案した瀧さんは昔を懐かしむ。同じ青谷町内でも地区によって方言は微妙に違うという。

 「あなほりだいくてににぎったらくつわいわ(けらを手に握ったらくすぐったい)」「いえこぼしするけーてごしてごせんかい(家を解体するので手伝ってくれないか)」

 瀧さんはこのほど、方言かるた最新作のパート2、45句を完成させた。「同じく読み札と絵札を作りたい」と、さらなる方言の伝承に力を込める。

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