1990年代、韓国がまだ日本大衆文化の開放前夜だったころのこと。「韓国語を学んでいます」と話すと、相手は決まってけげんそうな顔をした後、「何のために?」と質問してきた。勝手にわが師と仰ぐ詩人の茨木のり子さんは生前、そう尋ねられると「隣の国の言葉ですもの」と答えるようにしていたという。
それも今は昔。韓国経済の成長や「韓流」の世界進出は、多くの人々を韓国語学習へと導いた。ユーチューブで紹介されていたソウルにある大学付属の語学学校には、さまざまな国籍の人が集まっていた。日本やアジアだけではない。エジプトから来た20代女性は「韓国語を学んで帰れば、就職で有利になる」と目を輝かせる。
韓国教育基本統計によると、海外から韓国への留学生は新型コロナの影響を受けつつも増加傾向にある。2012年に8万6878人だったのが、22年には16万6892人と倍増した。
隔世の感とはこのこと。K―POPグループに日本人メンバーがいる新しい時代。「隣の国の言葉」を学ぶ人の増加は、日韓の未来をつくることにもつながる。(韓国)
▽インドネシア伝統の大豆発酵調味料入りのカフェラテ販売
インドネシアには大豆発酵調味料「...