大人になって年月を重ねると、仕事というのは「人間くさい」側面がたくさんあると分かってくる。人工知能(AI)開発の旗手、米オープンAIの最近のゴタゴタを見ていてもその思いを新たにした。
騒動は創業者の一人、サム・アルトマン氏の突然の最高経営責任者(CEO)解任に始まった。そこから、オープンAIの立ち上げに関わったイーロン・マスク氏や、業務提携しているマイクロソフト(MS)のサティア・ナデラCEOらも加わり、紆余(うよ)曲折をたどる。
アルトマン氏のMS入りがいったん発表されたが、解任に反発した社員の大量離脱で開発に影響が出かねない状況に。結局は復帰で基本合意に達し、混乱は1週間足らずで収束に向かった。一連の騒動が運営上のさまざまな問題点をさらけ出したとの見方は根強いようだ。
対話する人工知能「チャットGPT」など、画期的なテクノロジーを生み出してきたオープンAI。世界でも最も賢い人たちが集まっているはずの組織で、なぜこのような混乱が起こったのか。どうやら、人間関係は人工知能のプログラミングよりも難しいようだ。
学校の勉強が得意だというのが、社会に出て仕事ができることに必ずしもつながらな...