陶芸家 山本佳靖さん受賞作、山陰で初展示 「日本伝統工芸展」巡回展

 伝統工芸の国内最大の公募展「第70回日本伝統工芸展」(日本工芸会など主催)の巡回展が6日、松江市袖師町の島根県立美術館で開幕し、NHK会長賞を受賞した陶芸家の山本佳靖さん(42)=倉吉市不入岡=の作品が展示されている。受賞後の展示は山陰地方で初とあって、訪れた工芸ファンが作品に見入っている。

 将来は天文学者になりたいと考えていたほどの天文ファンの山本さんは、10年以上、星空をモチーフにした作品づくりに挑戦していた。受賞作「焼締窯変壺(やきしめようへんつぼ)」は、表面の黒い斑点模様が夜空に浮かぶ星を表現し、中央の玉虫色の光の筋は天の川をイメージした。

 受賞作は、展示スペースの入り口近くに置かれている。初日は山本さんも会場を訪れ、来館者に作品の特徴を解説していた。

 釉薬(ゆうやく)を使わず高温で焼き上げる技法「焼き締め」と、土に含まれる鉄分と炎が化学反応を起こして色や模様になる「窯変」を利用した作品で、山本さんは「やってきたことが評価されてうれしい」と喜ぶ。山陰での初展示に「たくさんの地元の人に見てほしい。土の力強さや神秘性を引き出せるように、陶芸の道を究めていく」と話した。

 会場では山本さんを含む鳥取、島根両県在住作家の入選作品10点を含む270点を展示。会期は25日まで。

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