大正天皇ゆかり「御座所」 大修理前に特別公開 仁風閣

 鳥取市東町2丁目の国指定重要文化財「仁風閣」で22日、1907年の建築以来、一般に開放されてこなかった部屋「御座所」の特別公開が始まった。当時皇太子だった大正天皇が鳥取行啓の際に使用した部屋で28日まで公開。仁風閣は29日から、5年間の大規模な修理工事に入る。

 仁風閣は、旧藩主の池田家から同市が譲り受けて以降、レストランや科学博物館などに利用され、間取りの変更や改造が行われてきた。御座所はその間も一般の入室が禁じられていたことなどから、当時の貴重な調度品が残されている。

 特別公開は、仁風閣が“令和の大修理”に入る前に文化財の保全の意義を知ってもらおうと実施。室内にあるカーテンボックスやシャンデリア、椅子などの家具類、精巧な菊の花の彫刻がある暖炉飾りなど、大正天皇が使用した当時の調度品を間近で見学できる。大正天皇が寝泊まりした「御寝室」も御座所から見ることができる。

 22日は、午前中から多くの人が訪れ、今しか見ることのできない「御座所」のみやびな雰囲気を満喫。岡山県瀬戸内市の公務員、野崎真朗さん(58)は「貴重な物を見られて良かった。歴史的な文化財なので今後も残してほしい」と話した。

 御座所の特別公開は、28日までの午前9時~午後5時。期間中、同館は入館無料。

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