【茂木健一郎のニュース探求】「他人への影響」の大切さ再確認 来年にささやかな希望を

  •  茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)
  •  東京大学本郷キャンパス内にある安田講堂=2023年12月10日、東京都文京区(共同通信社ヘリから)
  •  学生と意見交換するオープンAIのサム・アルトマンCEO=2023年6月12日、東京の慶応大三田キャンパス
  •  福沢諭吉
  •  茂木健一郎さん(撮影・佐藤優樹)

 今年も、もう終わりである。国内外で気にかかること、心配なことがさまざまあるが、少しでも良い世の中になるように努力したい。

 人類は社会的動物で、良いことも悪いことも集団で起こる。みんなで力を合わせると、一人一人以上の能力を発揮するし、時には大変な悪も生まれてしまう。

 だからこそ、他人に良い影響を与えるような人になりたい。現状を少しでも改善できるような発想、行動に結びつくような作用をお互いに及ぼしたいものである。

 ところで最近、日本の大学ではペーパーテスト重視の一般入試から、面接やエッセーなどを用いた総合入試への変化が見られる。もともと米国などで主流の、AO(アドミッション・オフィス)を中心とした志願者の全人格的な判断、選抜が日本でも定着し始めている。

 ペーパーテストの点数を中心とする従来の入試は公平だとの議論がある一方で、「偏差値」が大学評価を固定化するなどの弊害も指摘されてきた。総合入試では実力不足で入学するケースが生まれるとの懸念もある中、人工知能(AI)の発展やグローバル化の時代には求められる学力観が変化しており、望ましいやり方だという声もある。

 総合入試の先進地である米国の入試...

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