88歳にして精力的に映画を撮り続けるウディ・アレン監督。「サン・セバスチャンヘ、ようこそ」が1月19日に公開されるのを機に、オンラインインタビューに応じた。今作は過去の名画へのオマージュをふんだんに盛り込みながら、人生の意味を問う大人な作品だ。「アート志向の映画はすぐに成功と結び付かないかもしれない。けれど、永遠に追求すべきものがあると感じている」と、映画への愛情を語った。
主人公はかつて大学で映画を教え、小説の執筆に取り組むモート。映画のメディア対応に携わる妻に同行し、映画祭が開かれるスペインのサンセバスチャンを訪れるが、気鋭の監督フィリップと妻との浮気を疑い、モノクロの夢や幻想を見るように。胸の痛みも覚え、友人に紹介された女性医師ジョーの元を訪ねるが、思いがけずその美しさに魅了されてしまう。
アレン監督は、スペインでの映画製作の話を持ちかけられてサンセバスチャンに数カ月住んだ経験が楽しく、映画祭についての映画を撮ることに決めたという。ゴダールの「勝手にしやがれ」などの名画を再現したシーンを、夢や幻想として利用。「自分が撮れたらよかったと思うような名作がいくつか頭に浮かんで、それを...