エビも赤らむ酷暑、インドの熱波の威力

  •  インドの熱波はすさまじく、水温は40・7度を指していた
  •  中国・上海の自習室に張り出された目標掲示板には「Harvard」の文字も

 冷凍だが、奮発して「特大むきエビ」を購入した。水洗いするためボウルに移し、キッチンの蛇口をひねったところまではいい。直後、ごちそうはボウルの中で次々と赤らんでいった…。蛇口から出てくる水が夕方にぬるいと思ったことはあったが、まさかエビが変色するほどとは想像もしなかった。水の温度を測ってみると「(セ氏)40・7度」。仰天した。

 インドの6月の気温はインド気象局(IMD)が区分する国内35の観測区で、「熱波」(45度以上)または「深刻な熱波」(47度以上)を記録した日が延べ536日に上り、2011年以降では最多となった。地域別では、ウッタルプラデシュ州が18日間、パンジャブ州が15日間、デリー首都圏とハリヤナ州がそれぞれ14日間と、主に北西部が酷暑に見舞われた。

 天然温水には訳がある。デリーの住宅の大半は地下の貯水槽へ、水道局から定期的に水が届く。さらにポンプで燦燦(さんさん)と陽を浴びる屋上のタンクに吸い上げられ、各住戸の必要に応じて給水される仕組み。調理前に身が程よく締まったエビたちには申し訳ないが、最高の湯加減と知ってしまった以上、浴槽が欲しくてたまらなくなっている。(インド)

 ▽...

残り 659 文字
このページは会員限定コンテンツです。
会員登録すると続きをご覧いただけます。
無料会員に登録する
会員プランを見る
会員登録済みの方
この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

トップニュース

同じカテゴリーの記事