境港市の美保湾沖でギンザケを養殖する日本水産グループの弓ケ浜水産(同市竹内団地)は8日、今年の水揚げを始めた。5月中旬まで昨年より50トン多い約1650トンの水揚げを見込んでおり、西日本を中心に全国に「境港サーモン」として出荷する。
東日本大震災で宮城県女川町にあった日本水産の養殖施設が被災し、境港市に拠点を移して14年目。同市の約3キロ沖にいけすを設置し、約98万匹のギンザケを養殖している。
この日は平均で体長43センチ、重さ1・6キロに育ったギンザケ約5千匹を水揚げ。同社によると、今年は大きく成長させるため初水揚げを1週間遅らせ、脂の乗りも良くなったという。
同社本社工場の岸壁に接岸させたいけすからポンプでギンザケを吸い上げ、鮮度を保つため生け締めをした後、サイズごとに選別。養殖部の森田亮さん(25)は「今年はとても生育が良く、丸々としている。境港サーモンは焼いてもおいしいが、ぜひ生で食べてほしい」と話した。