千鳥の世界観表す 遺稿題材絵本の原画展

 現在の鳥取市気高町に生まれ、写実的な詩文を編み出しながら7歳で亡くなった田中千鳥(1917~24年)の遺稿に合わせて描いた絵本「千鳥のうた」のイラスト原画展が、倉吉市の鳥取看護大・鳥取短期大付属図書館で開かれている。2月9日まで。

 千鳥は、鳥取県内初の女性新聞記者で作家としても活躍した田中古代子(1897~1935年)の長女で、80編余りの詩文が「千鳥遺稿」として残された。

 原画展は、没後100年記念文化祭シリーズ第1弾として、昨年12月から今年6月まで県内8カ所で巡回展示する。中部地区では、同大が唯一の会場となっている。

 絵本には千鳥の詩20編が収められ、関西を拠点に活動するイラストレーターのアジコさんが絵を手がけた。絶筆となった闇夜の汽車を歌った詩の絵では、山を背景に白い煙を上げて走る姿が優しい雰囲気で描かれている。ほかの原画も詩の情景を的確にとらえ、千鳥の世界観をうまく表現している。

 同大は「学生の1人が顕彰活動に関わっていることが縁で展示が実現した。詩と絵から、幼くしてこの世を去った千鳥の心情に触れてほしい」と話した。31日午後1時15分からは、同会場でギャラリートーク「少女詩人チドリを語る」が開かれる。

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