左足で書いた「わが命」 故森崎道安さんのギャラリー、来月1日開設 魂込もった絵画や書、詩展示

 重度身体障害のため左足で書や絵画を制作し、1992年に36歳で亡くなった森崎道安さんの作品を常設展示する「ギャラリーみちやす~らん乱ラン~」が4月1日、米子市両三柳にオープンする。森崎さんが魂を込めて生み出し、見る人に勇気を与える作品が来館者を迎える。

 森崎さんは脳性まひの影響で生まれた時から四肢や体幹、言語に重度の障害があり、5歳の頃に鳥取市の実家を離れて73年まで米子市の県立整肢学園(現総合療育センター)で生活。唯一動かすことができる左足の指に筆を挟み、多くの絵や書、詩を制作した。

 2022年春に米子市内で開かれた没後30年の遺作展で、観覧者から「常設展を開いてほしい」という声が上がり、姉の福本真理子さん(71)がギャラリーを開設した。

 森崎さんが手がけた絵と書を計約50点展示。油絵を中心とする絵は「自画像」や抽象画「疑念(心象)」、自らの左足をデッサンした「絵筆を持つ足」などが並び、大好きだった大山を題材にしたちぎり絵や多色刷りの版画もある。

 全神経を左足に集中して一気に書いたという書は「わが命」と表現した「足」、憧れを込めた「手」などを展示。数多く残した詩も並び、ギャラリー名「らん乱ラン」は詩のタイトルから取った。

 福本さんは「弟はたくさんの人とすてきな出会いがあり、支えられて充実した生涯を過ごした。感謝の気持ちを込めてギャラリーをオープンする。作品を通して彼の生きざまや感性に触れてもらえれば」と話している。

◇ギャラリーは、米子市両三柳の両三柳交番の隣。入館無料で平日の午前10時から正午まで開館する。観覧希望者は電話090(5264)8058、福本さんへ。

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