スーパーやくも色車両ラストラン 大勢の鉄道ファン見送り

 JR伯備線の特急「やくも」(出雲市-岡山間)に新型車両273系が導入されるのに伴い5日、現行の381系車両のうち紫色が基調の「スーパーやくも色」がラストランを迎えた。最後の雄姿を見ようと大勢の鉄道ファンが駆けつけ、JR米子駅のホームに停車したやくもの先頭車両を写真に収めたり、手を振ったりして送り出した。

 

 「スーパーやくも」は、1994年12月から2006年3月まで運行。やくもリバイバル運行の第2弾として23年2月から当時と同じ塗装で運行され、多くの鉄道ファンらから注目を集めた。

 この日、スーパーやくも色の車両は出雲市-岡山間を2往復運行され、午前9時13分岡山発のやくも5号は満席に。沿線には全国各地の列車を撮影する「撮り鉄」がカメラを構えてラストランを待ち構えた。米子駅では新型車両のステッカーや歴代やくものマスキングテープなどの記念品が乗客に配られた。

 スーパーやくも色の車両に乗って同駅で降りた岡山県倉敷市の会社員、中山隼さん(33)は、6日に運行開始する新型車両の始発に乗る予定といい「初めて乗った特急がスーパーやくもだったので、思い入れがある。新型では(よく揺れるという)嫌なイメージを変えて、多くの人が乗ってくれるようになれば」と期待した。

 また、スーパーやくも色の車両の乗客の希望者を対象に米子市目久美町の後藤総合車両所運用検修センターにある「扇形車庫」の見学ツアーもあった。

 381系のうち、朱色の帯の塗装の「ゆったりやくも色」のパノラマ編成の車両も同日で運行を終了した。

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