隠岐の古代史をテーマにした企画展「誕生、隠岐国」が、出雲市大社町の島根県立古代出雲歴史博物館で開かれ、来館者が隠岐諸島の成り立ちを学んでいる。5月19日まで。
古墳時代後期から平安時代初期までを中心に、隠岐諸島で出土した遺物や当時の都との交流を示す史料など126点を展示している。
現在の島根県隠岐の島町の古墳から出土した6世紀の須恵器は、ふたに赤い十文字が描かれている。対比として、米子市内の古墳群で見つかった矢印状の記号が黒漆で描かれた須恵器も展示され、内容の一部が変容しながら海を渡って文化が伝わっていった過程を知ることができる。
隠岐からワカメやアワビが都に納められ、隠岐が都の食料庫の役割を果たしていたことも展示品を通して紹介。専門学芸員の久保田一郎さん(54)は「一般的な隠岐のイメージとは異なる一面も感じていただきたい」と話す。観覧は有料。