ジャマイカやヨーロッパなどで活動しているジャマイカの音楽家、スティーブ・ヒギンスさん(61)が14日、日本とジャマイカの外交関係樹立60周年を記念して岩美町浦富の岩美高を訪れ、音楽交流会を開いた。ヒギンスさんは歌唱や吹奏楽部とのセッションを通じて友好を深めた。
2025年大阪・関西万博を前に地域住民と万博参加国などが、地方公共団体を通じて継続的に国際交流を図る内閣官房所管の「万博国際交流プログラム」の一環。県の主催で全校生徒約200人が参加した。同校は07年のジャマイカ陸上選手団との交流を機に23年にはショーナ・ケイ・リチャーズ駐日大使が訪れるなど、ジャマイカと関係が密なことから選ばれた。
クラシックやジャズなど幅広いジャンルを歌うヒギンスさんは4曲を披露。優しく力強いテノールで体育館を響かせた。ボブ・マーリーの名曲「One Love」をセッションすると、アンコールでは全校生徒らと体育館を一つの大きな輪になって歩き、心を一つにした。3年の田中優斗さん(17)は「聞いたことのない曲ばかりだったが、声量が大きく上手で元気をもらえた」と笑顔だった。
ヒギンスさんは「ジャマイカ音楽を聴いて今日を思い出してもらえたらうれしい。日本文化が大好きなので、ジャマイカの文化も共有したい」と相互理解を求めた。15日には鳥取市文化ホールで国交樹立60周年記念のコンサートを予定している。