【相談】最近の日本社会は欧米と日本の都合のよいところを使い分けているように感じています。私の会社も、欧米的な合理主義と日本的な精神主義の両方を強制されます。管理職の一歩手前になり、職場運営において、効率を求められる一方、無理な仕事量と納期を課されます。それらを両立するのは精神的につらく、同僚は心が折れてしまいました。ところが後任の育成も進んでおらず、負担が増すばかり。このような状況下で、どう行動すべきか悩んでいます。（埼玉県 会社員 ４７歳男性）
【養老孟司先生の回答】
日本は、西洋のやり方が正しいと仮定して自分たちの方法を考えてきた国です。そのはざまに揺れて常にストレスを感じている。あなたが今、抱えている苦しみは、日本社会の現状そのものですね。
▽見直し
詳しい事情が分かりませんが、ともかく会社は「（無理な仕事量を）合理化と精神論でこなせ」と社員に向かって言っているわけです。会社の要求をこなすことが無理なら、根本的な解決方法は業務を見直すか、辞めてほかの仕事を探すかしかない。見直しというと、だいたい「やり尽くした」という声が聞こえますが、決めてかかってはいけません。案外、ただの思い...
