【尾木ママの今日も笑顔で】内側から見た都立図書館

  •  尾木直樹
  •  東京・港区の有栖川宮記念公園内にたたずむ中央図書館(都立図書館ホームページから)
  •  東京・国分寺市にある多摩図書館(都立図書館ホームページから)
  •  2023年4月3日、都立図書館名誉館長として中央図書館に初出勤=臨床教育研究所「虹」提供
  •  23年5月、中央図書館の地下にある地方紙収蔵庫で=臨床教育研究所「虹」提供

 2023年4月に東京都立図書館の名誉館長になって、この6月で1年2カ月。新しい発見の感動と学びの連続でした。

 図書館が心安らぐ居場所であった筆者にとって、これまでの完全な利用者側とは逆の、活用してもらう“内側”に回ってみて、驚きと感謝の1年間でもありました。

 ▽新発見と学び

 名誉館長を拝命した私のミッションは、多くの人々に都立図書館について知ってもらい、足を運んでもらうことです。

 そのために、まずは私自身が都立図書館について知ることから始めました。

 国内最大級、広尾の中央図書館(港区)と西国分寺の多摩図書館(国分寺市)の2カ所で計約278万冊の蔵書がある都立図書館は、個人の方には「本を貸し出さない」珍しい図書館です。さらに、市区町村立の図書館にはない特別な役割や業務があり、公立図書館の中核的・指導的な役割を担っているのです。

 本の専門家である司書による質の高い調査研究やレファレンスの支援、学校図書館の選書や読書に関する出前講座を行う学校支援のサービス、工夫を凝らした企画展示、市区町村立の公立図書館に対する協力貸出や職員への研修会、江戸時代後期からの東京に関する貴重な資料の収集・保存な...

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