書「復興・能登」寄贈へ 輪島塗愛用の書家・金沢翔子さん揮毫

  •  輪島塗の墨つぼなどを使って揮毫する金沢翔子さん(右)。見守るのは母泰子さん=2015年11月、東京都内
  •  金沢翔子さんの書「復興・能登」
  •  輪島塗の印泥入れを手にする金沢翔子さん(左)、墨つぼに触れる母泰子さん=東京都大田区

 書家金沢翔子さん(38)が能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市の被災者を応援し、半島全体の復興への祈りを込めた作品「復興・能登」を揮毫した。同市へ7月に寄贈する。

 NHK大河ドラマ「平清盛」の題字を手がけたことで知られる翔子さん。約20年前、輪島塗を製造・販売する塗師屋「藤八屋」の親方の妻塩士純永さん(67)と出会い、交流を深めてきた。2007年の地震で藤八屋本店が全壊したことを受け、「少しでも力になりたい」と墨つぼや印泥入れを特注で制作してもらい、12年ごろから愛用している。

 翔子さんは、大勢の前での揮毫パフォーマンスなど「心を込める特別なときに輪島塗を使います。気持ちが違うんです」と話す。

 今年1月、輪島朝市に近い藤八屋本店が地震後の大火に見舞われ、全焼したことを知り、母泰子さん(80)と共に胸を痛めた。やがて能登半島の人々が「一日も早く立ち上がってほしい」という思いにつながり、筆を執ると「復興・能登」としたためていたという。

 泰子さんは「翔子は、書という伝統文化に携わる者の一人として、伝統産業がその灯を絶やすことなくずっと続いてほしいと願っています」。翔子さんは「復興さ...

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