JR伯備線の381系特急やくもが6月14日にラストランを迎えるのに合わせ、今井印刷(島秀佳社長)は、歴代特急やくもの雄姿を収めた写真集を出版した。収録された写真は101枚に上り、昭和、平成、令和の時代をつなぎ、人々が織りなしてきた出会いや別れの物語を想起させる。
1970年代の初代キハ181系から2022年3月から始まったリバイバル塗装の国鉄色の車両、24年4月6日運用開始の新型車両273系まで網羅した。
写真は時系列に並べられ、自然の表情豊かな山陰線、伯備線、山陽線の風景を楽しめる構図にこだわった。撮影場所は、昨今の「撮り鉄」マナーを念頭に、地域住民と対話を重ねて慎重に選ばれており、撮影スポットの参考にもなる。
7日には島社長らが、鳥取県庁の平井伸治知事を表敬訪問し、出版を報告。「381系の引退のタイミングに合わせ、ありがとうの気持ちを込めた。地元住民には写真を通して思い出を振り返ってもらい、県外の人にはやくもを知り、乗って山陰へ来てほしい」と話した。
写真集は県内の今井書店各店や東京、岡山、広島などの県外書店、インターネットで販売する。108ページ、2750円。