絶景望むエコビレッジへ 鳥取のクレイアート作家 五右衛門風呂にCF募集

 鳥取市のクレイアート作家いのうえちひろさん(50)=本名・井上千尋さん=が、同市伏野の私有地を活用して「エコビレッジ」の立ち上げに奔走している。白兎海岸を臨む約330平方メートルの敷地にカフェやドッグランを備えたキャンプ場を整備する計画で、第1弾として今夏に五右衛門風呂を設置する。クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。

 エコビレッジは「住民が互いに支えあう仕組み」と「環境に負荷の少ない暮らし方」を求める人々の拠点で、世界で約1万5千カ所に広がっているという。

 井上さんは、コロナ禍で県外の展示会が中止になるなど生活が一変。未来への不安を感じる中、地元の美しい海と風が心に癒やしをくれた経験を踏まえ「絶景を舞台に、非日常の不便さから学ぶ豊かさを提供したい」とエコビレッジの立ち上げに思い至った。

 「たくさんの心の豊かさや笑顔が循環する場所」をコンセプトとして、手始めにあずまや付きの五右衛門風呂の設置を計画。整地を7月に終え、8月中にキャンプ場とともに整備する。カフェやドッグランは秋以降の完成を目指しており、誰もが日常的に集える場所作りを見据える。

 五右衛門風呂は、幼い頃に実家の風呂番をした井上さんの体験に由来する。暑い日も寒い日も火力を調整し、炎の揺らぎを見ると心が落ち着いた。「湯加減はどう?」などと言葉を交わしながら入浴までの準備を経験し、日本海を眺める絶好のロケーションで風呂体験をしてほしいと願う。

 井上さんは「まず取り組みを知ってもらい、利用者の声も取り入れながら作っていきたい」と意欲を燃やす。五右衛門風呂の建設費はCFで支援を募っている。30日午前11時まで。

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