境港市内に空き家を所有する森山寿美子さん(78)=同市竹内町=は2月、市が開催した相談会に夫(78)と参加した。空き家は1970年に建てた木造2階建ての店舗併用住宅。息子夫婦と同居するため現在の住宅を新築し、約10年前から空き家になった。
年月とともに建物は傷みが激しくなり「台風でもし倒壊し、近所に迷惑をかけたら責任が取れない」。空き家のことが常に頭にあり、多くの古い家屋が損壊した元日の能登半島地震が背中を押した。
相談会で土地家屋調査士や司法書士の助言を受け、空き家を解体して土地を売ることにした。解体工事は3月末に完了し、現在は売却の手続きが進む。森山さんは「解体工事を毎日見に行き、寂しい感じもしたが、危険がなくなりほっとした」と胸をなで下ろす。