「できることやりきる」 ローイング森選手 パリパラへ練習集中

 パリパラリンピックのローイング男子シングルスカル(運動機能障害PR1)日本代表の森卓也選手(50)=CHAXパラアスリートチーム=が、30日から始まる競技に向けて調整を本格化している。2~5日は日本ローイング協会育成指定選手と合同練習に取り組むなど、本番へ集中力を高めている。

 気温が上がりきっていない5日早朝、森選手は同じカテゴリで佐賀県の百武強士選手(38)=唐津ボートクラブ=と一緒に、中海の米子市錦海ボートコースで練習した。

 合同練習は百武選手の呼びかけで実現した。競技を始めて2年ほど。「全ての技術が足りない。一つでも技術を身に付けられたら」と、オールで水面をつかむ技術を中心に練習した。パリパラリンピックに臨む森選手について「体力が桁違い。本番のレースは中継で見て、佐賀県からエールを送る」と活躍を願った。

 森選手は、4月に韓国・忠州で行われたアジア・オセアニア予選で出場権を獲得して以降、肩や肘の痛みがあったことから練習メニューを絞っていたが、7月から艇を使った練習を増やしている。オールをこぐ姿勢が肩や肘に負担をかけていたこともあり、こぎ方を修正し、この日の練習でも一こぎずつ丁寧に動作を確認した。

 7月にパリ五輪が始まると、これまで経験したことがないほどの緊張に包まれた。ローイングの中継を見た時に「この場所でレースをやると思ったら、緊張し過ぎて気持ち悪くなるほどだった」と映像を切った。自身の本番が近づくにつれ落ち着きを取り戻し、練習に集中できている。

 30日の予選を皮切りに、パラリンピックは3日間連続でレースが組まれるタイトな日程だ。「できることをやりきってレースに臨みたい」。体調に気を配りながら限られた時間で練習に集中して、一つでも上の順位を目指す。

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