デジタルとアナログをどう使い分けるかは、現代人の多くが悩むところだろう。私の場合、長年の試行錯誤の結果、脳科学的に「これがいい」という形がある。
とりわけ、メモについては、自分なりのやり方を確立している。普通の紙のノートを使うアナログの手法だ。北米で売られているスタイルの「リングノート」を愛用している。紙を留めている径の太いらせん状のリングに、ちょうどペンが差さって便利なのである。
日本のメーカーのリングノートは、日本市場の繊細さを反映してか、リングの径が小さくてペンを差せない。北米式のノートはメモするのにいちいちペンを探す必要がないので、重宝していて学会の時などに現地でまとめ買いしている。
何かひらめいたり着想したりすると、このノートでごく簡単なメモを取る。短くしか記さず、後で膨らませる際はパソコンで文章を打ち込んだりする。つまり「アナログ」で着想して、「デジタル」でそれをフォローしていく。これは、一つの優れたやり方ではないかと思う。
この方法に至るまでには、紆余(うよ)曲折があった。スマートフォンやタブレットなどでメモを打つことも、長年やっていた。しかし、冷静に考えると、そのよう...