【茂木健一郎のニュース探求 】日本の明日を開く“蝶の羽ばたき”は起きるか? 石破新首相に望む

  •  茂木健一郎さん(撮影・徳丸篤史)
  •  衆院本会議で第102代首相に指名され、起立する自民党の石破茂総裁。左端は麻生太郎最高顧問、同2人目は菅義偉副総裁=1日午後
  •  新内閣が発足し、記者会見する石破茂首相=1日夜、首相官邸
  •  初閣議を終え記念写真に納まる石破茂首相(前列中央)と閣僚ら=1日夜、首相官邸
  •  石破茂氏が自民党新総裁に選出され、ボードを掲げて喜ぶ支援者ら=9月27日、鳥取市

 過去最多の9人で争われた自民党総裁選で、高市早苗さんとの決選投票を制した石破茂さんが1日、第102代の内閣総理大臣に就任された。新内閣発足後の記者会見で「経済成長の起爆剤として、地方創生に強い決意を持って取り組んでいく」と表明した。ぜひ実行してもらいたい。鳥取県出身の初の首相として、期待が高まる。

 かつて仕事で鳥取を訪れた時、(帰りに)空港へ向かうタクシーで運転手さんとお話ししたことがある。石破さんが総理大臣になったら何を求めるかと尋ねると「地方に住む人の気持ちを中央に届けてほしい」と言われたのを鮮明に覚えている。

 全国各地へ行くたびに感じるのが、地方と中央の関係を見直すことの大切さである。とりわけ、子ども時代を地方で過ごした後に、進学や就職で東京などの大都市圏に出てそのままになってしまうケースが多いことは、以前から課題だと考えていた。

 もちろん、一人一人がそれぞれの人生の目的や夢を追う中で、都会に出てくること自体は否定すべきではない。就職などの際に都会にとどまることも、幸せに通じるならばそれでいい。

 しかし、この場合、国の設計として、子育てや教育を地方が担い、その「果実」を大都市が...

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