過去最多の9人で争われた自民党総裁選で、高市早苗さんとの決選投票を制した石破茂さんが1日、第102代の内閣総理大臣に就任された。新内閣発足後の記者会見で「経済成長の起爆剤として、地方創生に強い決意を持って取り組んでいく」と表明した。ぜひ実行してもらいたい。鳥取県出身の初の首相として、期待が高まる。
かつて仕事で鳥取を訪れた時、(帰りに)空港へ向かうタクシーで運転手さんとお話ししたことがある。石破さんが総理大臣になったら何を求めるかと尋ねると「地方に住む人の気持ちを中央に届けてほしい」と言われたのを鮮明に覚えている。
全国各地へ行くたびに感じるのが、地方と中央の関係を見直すことの大切さである。とりわけ、子ども時代を地方で過ごした後に、進学や就職で東京などの大都市圏に出てそのままになってしまうケースが多いことは、以前から課題だと考えていた。
もちろん、一人一人がそれぞれの人生の目的や夢を追う中で、都会に出てくること自体は否定すべきではない。就職などの際に都会にとどまることも、幸せに通じるならばそれでいい。
しかし、この場合、国の設計として、子育てや教育を地方が担い、その「果実」を大都市が...