2023年に発見された紫金山・アトラス彗星(すいせい)の撮影に、鳥取市佐治町高山の公開天文台「さじアストロパーク」が1日、成功した。9月26日には鳥取天文協会の前田式部さんも成功。比較的明るく観測しやすい彗星で、12日ごろに地球に最接近し、今月末まで観測を楽しめる。
同彗星は23年1月に中国の紫金山天文台で発見された。24年9月28日ごろに太陽に最接近して2等級までの明るさになった。夜明け前から明け方にかけて東の空に確認された。
同天文台の織部隆明主幹によると、観測しやすくなるのは15日ごろからで、日没後の午後6時半ごろから西の空に見えるという。15日は満月で月明かりがあるが空気が澄んでいれば撮影も可能で、見晴らしが良く山や高い建物がない場所がおすすめ。カメラの設定は露光時間を8~10秒、明るさを調整するISO感度は、1600~3200ぐらいで試し、調節するのが望ましい。
肉眼で見える彗星は珍しく、2020年7月に全国各地で観測されたネオワイズ彗星以来の明るさという。紫金山・アトラス彗星は今後太陽系から離れ、二度と戻ってこないとされる。
同天文台では19日午後6時から観察会を予定している。織部主幹は「彗星を見るチャンスはあまりない。双眼鏡があればより見やすいので、この機会に観察してほしい」と話した。