境港市沖の美保湾で養殖されるギンザケの稚魚を使った給食料理の研修会が、境港おさかなパーク(同市昭和町)で開かれ、市内の保育園の管理栄養士、調理師らが調理実習に取り組んだ。12月19日の「食育の日」に統一献立として市内10保育園で提供される。
市保育協議会給食部会(谷山綾部会長)が、ギンザケの養殖過程で間引かれる稚魚を有効活用することで、子どもたちの食を大切にする気持ちを育てようと企画。市内の10園から15人が参加した。
ギンザケを養殖する弓ケ浜水産(同市竹内団地)社員の奥山達矢さん(26)が講師に招かれ、毎年9~10月に養魚場で稚魚の選別が行われ、規定サイズ以下の小さな個体は廃棄していると説明。園児向けに考えた料理「やみつきチビッコサーモン」を調理実演した。
体長10センチ程度の稚魚とゴボウ、レンコンを片栗粉を付けて油で揚げ、フライパンで酢としょうゆのタレをからませる料理。奥山さんは「かむことも大切なので、レンコン、ゴボウも加えた。自信を持ってお薦めしたい」と話した。
研修会では他に、市内の料理店主・浜野政和さんがレシピを提供した甘露煮や沢煮風汁など5品を調理、試食した。今後、意見を踏まえ給食にふさわしいものを選択する。
谷山部会長は「稚魚なので揚げ物にすると骨も気にならず、食べやすい。小さなギンザケを食べる給食を通し、命や食べ物の大切さを感じてもらえたら」と話した。(久保田恭子)