「自分らしさ」を取り戻すために養老先生の提唱する「参勤交代」をやってみたい

  •  養老孟司さん(撮影・大木賢一)

 【相談】

 長野県から大阪市に出てきて10年間、新卒学生の就活支援をする会社を経営してきました。情報過多の環境やコンクリートジャングルからいつかは抜け出したいと思いながら、勇気がないままにダラダラと過ごしてしまいました。最近、仕事関係の知人から「自分らしさを忘れている」と言われ、思い切って養老先生の提唱する、都会の人間が田舎で過ごす「現代の参勤交代」をやってみようと考えています。知人からは、沖縄県・久高島で2泊3日くらいのワークショップを始めてみたらと勧められました。「自分らしさ」を取り戻すための自然スポットや、理想的な滞在期間をご教示いただけると幸いです。(29歳 自営業 男性 大阪市)

 【養老孟司先生の回答】

 あなたのご相談で、まず私が引っかかってしまうのは「自分らしさ」という言葉です。今までいろんな本に書いてきたことでもありますが、「自分」という問題は割にやっかいです。

 ▽自分は変わる

 あなたが「自分らしさを忘れている」と思うのは、さかのぼってどこかに「変わらぬ自分」があると思っているからではないでしょうか。多くの人が意識の中で、確固とした「変わらない自分」があると思い込んでいま...

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