今週は著名人が実名で登場します。
【相談】
2025年に戦後80年を迎えます。私は父の仕事の関係で幼い頃、旧満州(中国東北部)で過ごしました。終戦は6歳の時で、中国が内戦で混乱する中、日本に引き揚げてきました。栄養失調で弟は失明寸前になり、私も耳が取れそうになりました。あの戦争で兵役についた多くの若者が亡くなりました。私たちのお兄さんくらいの世代です。本当にもったいないことだったなあとよく考えます。特攻隊で散った若者は体も頭脳も優秀で行動力があり、きっと素直で心も清らかな人が多かったと思う。戦後、彼らの一人でも多くが生きて日本のために働いてくれていたら、今よりずっと良い国になったはずなのに、本当に惜しい。私はいたたまれない気持ちになるのですが、戦争に対する危機意識が年々薄らぎ、残念に思います。最近、ロシアやイスラエルなどの中東情勢を見ていると、絶望的な気持ちになってしまいます。人間という生き物は、いつか争い事を繰り返さないようになれるんでしょうか?(85歳 漫画家 ちばてつや 東京都)
【養老孟司先生の回答】
私も同世代なので、おっしゃることがよく分かります。ちばさんは特攻隊がテーマ...