【相談】
書籍編集をしていますが、ある著者の新刊を出すかどうか悩んでいます。実績や知名度、内容としても、ヒットを狙える企画に思えます。でも、私はその方が以前から不気味に思えてならない。容姿はごく普通、とても腰が低く、いつもにこやかです。ところがなぜか、私にはその笑顔が不自然に感じられ、頭の中で警報音が鳴りやまないのです。私は警告を無視して仕事を進めるべきでしょうか?(59歳 出版社勤務 女性 東京都)
【養老孟司先生の回答】
理由は分からないけれど、なぜか危険な予感がする―。私自身は警告音など鳴ったことはありませんが、何となく他人に対して嫌な感じがする、という経験を話す人は少なくありません。実際、そうした勘が当たることもあるようです。
▽生き物の直感
長く生きていれば、苦手なタイプとウマが合うタイプと自然に判別できる。それができないということは、その人がきっと感覚的に、これまでの人生で会った中で、どこにも分類できないような人物なんでしょうね。
警報というと深刻に聞こえますが、どの程度、重みのある話なのかが、この相談だけでは分かりません。あなたが感じている不安はどの程度のものなのか。その...