「インドでハイブリッド勤務(出社と在宅の組み合わせ)がすぐになくなるとは思えない」。北部グルガオンの多国籍企業で働く友人はそう話す。多くの企業がハイブリッド勤務の取り組みに成功したことが背景にある。
最近の調査では、ハイブリッド勤務を実施する企業の従業員、雇用主のほぼ100%が柔軟な働き方に満足しているとの結果が出た。優秀な人材確保や個人の生活の質向上も見込める。根強い支持を得ているのは間違いない。
一方、出社に戻す動きも垣間見える。現状、インド企業の9割が従業員に週3日以上の出社を義務付けており、半数は2030年までに出社日数を増やす方針だ。ITサービス大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)の場合、出社を従業員に促すための変動給体系を導入した。勤務時間全体に占めるオフィスでの勤務時間が85%以上の社員に四半期ごとの変動給を全額支給し、60%を下回る従業員は対象外となる。
2020年の新型コロナウイルス流行から始まった「出社か在宅か」は、企業戦略にも影響を及ぼす時代に入った。働く場所が選べる今こそ、職場は働く価値を育む場であるべきなのかもしれない。(インド)
▽常夏のシンガ...