第43回とっとり読書絵てがみ・感想文コンクール インタビュー(9) 茂木ちあきさん 児童文学作家

身近な話題から世の中見て

 -「とったんは理学療法士」制作のきっかけを教えてください。

 数年前、急な病気で2カ月ほど入院しました。そのとき初めて、理学療法士という人たちと密にかかわりました。毎日、何人もの療法士さんが入れ代わり立ち代わりリハビリをしてくれ、心配事や回復への不安を聞いてくれました。患者を丸ごと受け止めるという姿勢が、患者にとってどれほど心強く、安心感を与えてくれたかしれません。そういう人たちがいてこそ、今の医療は成り立っているのだと痛感しました。

 -制作過程で大切にしていることは。

 私は、モデルがいたり、事実に基づいたテーマで創作することが多いです。子どもたちに身近な話題から世の中を見て、視野を広げてほしいと思うからです。でも事実を描くというのは、似た状況の人たちが実際にいるということです。その方たちが心を痛めることのないよう、きめ細かく配慮し、気持ちに寄り添って書く、ということを忘れてはならないと思っています。

 -コンクールにチャレンジする子どもたちへメッセージをお願いします。

 大切な人を思って、優しい気持ちで心を込めて書いていただけば、自然といい作品になるのではないでしょうか。大変な仕事にはそれなりの困難や努力も伴います。家族や身の回りの人の理解や協力なくしては何事もできないのだ、ということが分かってもらえたらいいと思います。

プロフィル

 千葉県生まれ。教師、編集者などを経て児童書の創作に入る。主な著書に「清政-絵師になりたかった少年」(新日本出版社)、「空にむかってともだち宣言」(国土社・第63回読書感想文全国コンクール課題図書)など。日本児童文学者協会会員。

募集要項

 ◆内容 課題図書を読み、絵てがみまたは感想文を書いて応募する。各部門1人1点
 ◆応募方法 所定の応募票に必要事項を記入して作品に添付し、〒680-8688日本海新聞事業部「読書コンクール」係へ郵送または持参する
 ◆締め切り
 2025年1月17日(金)必着
※詳しくは日本海新聞ホームページをご覧ください。

主  催 鳥取県学校図書館協議会
     新日本海新聞社
特別協賛 鳥取銀行

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