【ネット詳細版】小泉八雲記念館長・小泉凡さんインタビュー

 松江市などに滞在した明治時代の文豪、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲、1850~1904年)の妻・小泉セツをモデルにした連続テレビ小説「ばけばけ」が、今年秋からNHKで放送される。八雲は松江の赴任時に鳥取県を通ったほか、セツと共に新婚旅行でも県内を訪れている。急速に西洋化が進む明治時代、八雲は山陰で何を感じたのか。八雲とセツのひ孫で、小泉八雲記念館長の小泉凡さん(63)に話を聞いた。

 「最初に松江に赴任した際、人力車で山陽側から山越えをしてくると、次第に神道色が強くなっている感じがすると、作品に書いています。小さい神々がいっぱい祭られていて、寺よりも神社が多い。それが最初の印象です。岡山県の久世辺りから犬挟峠を越えて関金に下りてくるんですね。人力車の車夫が突然止まったので、見たら小さな蛇が横切ったと。日本の地方では自然と共生し、非常に自然を畏怖している。人が自然に対して謙虚だという印象も受けたようです。極め付きはやはり、妙元寺(大山町下市)のいさい踊りですかね。ちょうどお盆の晩で、踊りは先祖の霊を慰める意味がある。そういう強い祖先信仰を日本人は持っているということを知って、大変共感していくんですよね。八雲が日本で初めて見た盆踊りが、『いさい踊り』でした。それは多分、出雲の地に来てからも同じようなことだったと思うんですけど、期待していた出雲的な精神風景っていうのかな。そういうものを最初に鳥取に入った途端に感じたのではないんですかね。神道色が強く、神々が多く祭られ、人々は自然を畏怖して信仰心が強いという、日本の原型みたいなものを感じたのではないでしょうか」

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