境港岸壁(境港市大正町)に着岸中の境海上保安部の巡視船「おき」(1500トン)で13日、倉吉北高(倉吉市福庭町)の調理科1年生8人が、海上保安官の船内食事「船めし」の調理実習を行った。船舶調理のイロハを学びながら、海上保安業務への理解を深めた。
調理師を目指す生徒たちに船舶調理の世界を体験させたいという学校側からの依頼を受け、同保安部が初めて企画。「おき」で調理を担当する主計科職員3人が指導に当たり、厨房(ちゅうぼう)が狭いため生徒たちは3班に分かれて食材準備から配膳までを体験した。
この日の献立は、鶏もも肉のグリル、めんたいこのクリームパスタ、ポテトサラダ、マーボー豆腐スープの4品と白米ごはん。生徒たちは料理を作りながら、揺れる船内では包丁の扱いに気を付けることや、短い調理時間、節水を心がけることなど船内調理の心得を学んだ。約1時間半ほどで24人分の食事を完成させ、職員と一緒に舌鼓を打った。
山本朱樹さん(16)は「今回は動いていない船だったが、揺れたら大変だろうなと思った。狭い空間での料理の大変さがわかり、とても貴重な体験ができた」と充実感をにじませ、指導に当たった江口栄一さん(52)は「調理を学んでいる生徒とあって、手際がよかった。こういう仕事もあることを知ってもらえたら」と話した。