「ようやく一歩前に」 にぎわい創出 期待続々 JR鳥取駅周辺の再整備

 バスターミナルの新築移転、民間投資による複合商業施設の誘致-。鳥取市が、長年の課題だったJR鳥取駅周辺エリアの再整備に主体的に取り組む方針を固めたことを受け、駅を利用する住民、経済、観光団体からは期待の声が上がった。

 複合商業施設の誘致が検討されているという情報に、通学で利用する鳥取東高1年、岸本若奈さん(15)は「列車を待つ時間が長い。書店や休憩スペースが欲しい」と期待。駅の北口で「よく時間をつぶす」という鳥取敬愛高1年の松本悠空(ゆうあ)さん(15)は「遊ぶ場所ができたら毎日でも通いたい」と笑顔を見せた。

 国の直轄事業を視野に入れるなど、“本気度”を見せる市の姿勢に、経済団体からも期待の声が上がる。

 「今までいろいろなビジョン、構想をつくってきたが、ようやく一歩前に進んだ」と話すのは、鳥取商工会議所の中山孝一専務。中山専務は鳥取駅周辺再生基本構想策定委員会の委員長も務め、駅周辺の活性化を模索してきた。高架化に伴う再開発から40年たつ同駅周辺を「陳腐化している」とし「新たな表玄関として、多世代が集うような整備を進めてほしい」と願う。

 鳥取市商店街振興組合連合会の真嶋茂代表理事は、全国チェーンの飲食店の出店が相次いでいる駅南口に触れ「駅を中心としたモール街のように、南北が一体となってにぎわえば」と指摘。駅の集客力が高まれば、周辺エリアにも波及するとして「商店街にも魅力ある店づくりが求められる。中心市街地全体がにぎわうよう、一緒に取り組みたい」と今後を見据えた。

 交通機能の充実に期待を寄せるのは、市観光コンベンション協会の西垣豪会長。「駅は鳥取市の顔。にぎわい創出には、公共交通の利便性向上が必須」と話す。再整備計画と連携し、観光情報の発信を強化する意向で「構想、計画で終わらないよう行政と協調したい」と意気込んだ。

この機能はプレミアム会員限定です。
クリップした記事でチェック!
あなただけのクリップした記事が作れます。
プレミアム会員に登録する ログインの方はこちら

関連記事

トップニュース

同じカテゴリーの記事