鳥取県を代表する遺跡の一つ「長瀬高浜遺跡」(湯梨浜町はわい長瀬)で出土した古墳時代の青銅器などの展示が25日、町羽合歴史民俗資料館で始まる。国内でも十数例しか出土していない中国製の銅鏡の破片や大阪湾沿岸で出土している甕型の製塩土器と同形の土器など貴重な品が展示される。
展示されるのは、本年度の調査で見つかった中国製の飛ぶ鳥をモチーフに描かれた後漢~三国時代の「飛禽鏡(ひきんきょう)」と呼ばれる鏡。破片のまま使用された「破鏡」で、国内で初めて竪穴建物から出土された。やりなどの柄の下端に取り付けられた飾り金具の筒型銅器の空洞に入れる「舌(ぜつ)」と呼ばれる金属製の棒も本年度の調査で出土。古墳の副葬品としてではなく、集落で見つかったのは珍しいという。
このほか、2022年度の調査で出土した、塩づくりに使われた専用土器「製塩土器」も初公開する。大阪湾沿岸で出土している製塩土器と形が似ており、同形の土器の出土は山陰初。
同財団調査室の君嶋俊行室長は「長瀬高浜遺跡が大阪、九州、朝鮮半島を結ぶルートの重要な拠点であることを示す発見。展示を見て、故郷の歴史に思いをはせてほしい」と来場を呼びかけている。
展示は2月2日まで。26日は午前11時と午後2時から、君嶋室長の展示解説がある。