中国の新興企業「DeepSeek(ディープシーク)」が公開した生成人工知能(AI)が、世界に衝撃を与えている。米国の従来モデルを一部上回る性能を、低コストで実現した。1957年に人類初の人工衛星打ち上げに成功した旧ソ連が、科学技術力を西側諸国に示した「スプートニク・ショック」に例える議論もある。
これまでAIの開発に不可欠と考えられてきた米半導体大手、エヌビディアの株価が下落するなど、多方面に影響が及んでいる。第2次トランプ政権の誕生直後にソフトバンクグループ(SBG)会長兼社長の孫正義さんが、米IT企業の経営者らとホワイトハウスで並んで発表した新会社「スターゲート・プロジェクト」の行く末とも無関係ではないだろう。
これはSBGと、対話型生成AI「チャットGPT」を開発したオープンAI、IT大手オラクルの3社を中心に、生成AI分野に4年間で5千億ドル(約78兆円)を投資する計画だ。新会社の会長に孫さんが就き、米マイクロソフトやエヌビディアも事業に加わるという。
変化の速い現代。AIはその中でも浮き沈みの激しい分野だ。この瞬間はディープシーク、そして中国のAIが注目されていても、半年後...