すれ違いの中にそれぞれの人生が見える 「しばしとてこそ」演出・小沢道成

  •  「分かりやすい言葉の奥に、ちょっとした引っかかりのある物語を作りたい」と話す小沢道成
  •  舞台「しばしとてこそ」で演出を手がける小沢道成

 高校卒業の時期を自由に決められる世界で、卒業しなかった生徒たちが繰り広げる騒動を描く舞台「しばしとてこそ」が21日~3月2日に東京・新国立劇場で上演される。演出の小沢道成は「世代の違う同級生が衝突し、すれ違う中に、それぞれの人生が見えてくる」と見どころを語る。

 奇抜な設定を生かしたコメディーに定評のある劇団「ヨーロッパ企画」の大歳倫弘が脚本を担い「2人でアイデアを出し合いながらストーリーを組み立てた」。ある心残りから高校を3年で卒業せず、次の「N学年」に進むと決めた男子生徒3人を、阿久津仁愛、押田岳、坪倉康晴が演じる。

 N学年では授業内容も文化祭の出し物も全て「自由」で、3人は勝手気ままに行動する年上の同級生たちに振り回される。小沢は「彼らのめちゃくちゃな言動に笑いながら、ふと『自由って何だろう』と考えると、背筋がぞわっとする」と話す。

 そんな「N学年生」たちがたびたび口にするのが「青春」への憧れだ。自身は「青春は学生時代だけのものではない」と考えているという。「目の前のことに全力で取り組める時間が青春。だから僕はずっと青春だし、これからも青春でありたい」と力強く宣言した。

 脚本家、...

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