【養老先生に人生相談!】父を亡くした喪失感とどう折り合いを付ければいいでしょうか?

  •  養老孟司さん(撮影・小倉元司)

 【相談】

 1年半前に81歳の父親が胃がんで亡くなりました。父は我が強く、家族を犠牲にしてでも好きなことをするタイプ。思い通りにならないと、食事中でも大声を上げて家族を叱りつけるような人でした。特に私とは歯車がかみ合わず、学生時代、距離を置いた時期もありました。ただ、死なれると喪失感はあり、特に後悔しているのは、父が抗がん剤を拒絶したときに、もっと続けるよう強く言えなかったことです。亡くなる少し前に、料理人の友人に作ってもらった豪華なお節料理を「おいしい、おいしい」と食べてもらえたことが最後の良い思い出です。もう10年は長生きして、好きな釣りに行ってもらいたかった。結局、私は何もしてあげられなかったような気もします。私は、この思いとどう折り合いを付けて生きていけばいいでしょうか。(56歳 男性 編集者 東京都)

 【養老孟司先生の回答】

 ご相談の文面からは、平均的に見ても、あなたはお父さんに対して十分に思いを寄せて、いろいろされた方のように感じられます。本当は、あなたは何もしてあげられなかったのではなく、お父さんと距離を縮められないまま死なれてしまったことが、心残りになっているのではない...

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